2019年3月30日土曜日

ドイツ建築留学 #6

どうも石井大治朗です。
たった今ヘルシンキ空港に到着し、関西空港行きのフライトを待っているところです。

さて、今日で一ヶ月に渡った僕の留学も終わり。 この一ヶ月色々なことがありました。人生初の海外インターンは勿論のこと、スターアーキテクトとの対談、数々の有名建築の見学、黒人と揉めるなどたくさんのことがありました。
その中でたくさんの学びがありました。

まず、TAKENAKA EUROPE GmbHでインターンが出来て良かったと思います。
TAKENAKA EUROPE GmbHの方々は通常業務で忙しいにも関わらず、実務的なことを一つも知らない僕を受け入れてくださいました。そのことに感謝したいと思います。
また、非常に日本を代表する企業なだけあって、優れた技術、優秀な人材が揃った企業だと思いました。
例を挙げて言えば、BIM(Building information modelの略:コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションであり、また、それにより変化する建築の新しいワークフロー)という技術を駆使したプレゼンを見せていただいたのですが、ボルトの一本一本まで3dモデリング出来ていたりQRコードをスキャンしたらスマートフォン上にVR空間を映し出したりできるようで時代はここまで来てるのかと思いました。
3Dモデリングしたものがそのまま現場で建つのだと考えたら、かなりのコスト削減だと思いました。(ただ、実際はBIMを使える技術者、BIMの3Dモデルを理解出来る施工者が少ないのが課題なのが現状です。また、建築が建つ前に殆ど出来上がるものの限界値のようなものが分かってしまってそれはどうなのかと思ってします自分もいます。)
このBIMという新しいテクノロジーの出現によって、建築業界にBIMオペレーターという新しいポストが出来てきたらしいです。
BIMを使いこなせる人間はまだ少なくてヘッドハンティングして呼んできたりと引く手数多らしいので新しいテクノロジーに興味がある人は勉強してみてはいかがでしょうか。
その他にも現地企業にはないユーティリティを持っていたり誠実で確実な設計・施工をしていたりしているなどいいところはたくさんありました。ちなみにいうと関西空港や全国各地のドーム、あべのハルカスなどの建築物の設計や施工は竹中工務店です。
そんな、時代に合わせてダイナミックに動いている竹中工務店でインターンの経験を積めていい経験になりました。
  
次に自分の考えが変わったことです。日本では国立競技場建設問題以来、建築界隈でのネガティヴなニュース(建築士資格の持っていない人の設計行為の発覚、リニア談合など)が目立っています。
ビエンナーレの流行により建築からアートに主役が移っていっている。昔なら建築的な方向で進むはずのプロジェクトがランドスケープ的に片付けられている。建築はすでに無力。と思っている自分が今までいました。
そんな中、革命だと言われているような建築や建設に600年以上かかっている大聖堂など色々な建築を見て回りまわったり世界で活躍されている建築家と話をしたりしました。
ある建築家の方とお話をさせていただいた時、自分の視野の狭さを実感しました。
 そして、興味が建築ど真ん中から興味が自治体と街づくりに移りました。日本を建築単体を作る技術は世界一だと思いますが、都市を計画する上でのビジョンがヨーロッパに比べててんで無いと思います。
なので、震災によってバラバラにされたコミュニティが壊れたままだったり、明石のように海と街の間にでかいマンションが建つんだと思います。
これからはでかいマンションを海のど真ん前に立てるボトムダウンのような街づくりでは無く、住民の魂のような人間のうちの部分を大事にしたボトムアップの街づくりをしていかないと日本はある意味貧しい国になるのでは無いのかという危機感にも似た気持ちを持つようになりました。
ただ、そんなことは言ってもすごい建築は本当にすごいです。雑誌を見て知ったきになるのではなく実際に建築をウォッチすることはこれから大事にしていきたいと思います。

最後にこれからのことを書きたいと思います。
日本は豊かになりすぎて不透明な社会でこれから社会に出るのを控える学生が不安になる状況だと思います。そんな中でこれから自分がどうなるかはちっとも分かりませんが、自分の芯を強く持ち、やりたいことや日本に必要なことを模索し続けて出来るだけ自分の力でチャンスを掴みとって活躍していきたいと思います。
また、あまりグローバルに働きたいとは思わなくなったのですが、海外で得られた知見を日本というフィールドで活かすという形でこの度の留学の経験を生かそうと思います。

ただ、僕は今スイス、スペインの建築やシカゴ、ニューヨーク、オランダの都市計画など海外で興味のあることがたくさんあります。目の前のことでいっぱいいっぱいになるのではなく、そういった自分の興味を満たすことも忘れず生きていきたいです。

ではこんなところで僕の留学ブログを完結させたいと思います。

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