ネパール １日目

2A松本朝陽　ネパール一日目

とうとう待ちに待ったネパール留学が幕を開けた。

母と別れ、日本時間の深夜0時すぎに中継地のタイに向け僕は日本をトビタった。
タイまでの飛行時間は約5時間。けっきょく緊張もあってか一睡もできなかった。隣に座った（自称）世界をまたにかけるビジネスマンのおじさんが色々と教えてくれて、タイの空港に降りた後も入国審査の手続きの場所まで案内してくれたりと、（ちょっと口臭が気になったが）とても親切に面倒を見てくれて本当に助かった。

タイの空港には予定より45分はやく現地時間の朝の４時前に飛行機が到着し、ネパール行きの飛行機にのるまで約６時間。下手に寝て荷物が盗られても困るし、というわけでとりあえず巨大な空港内を見てまわることにした。
それであてもなくほっつき歩いていると、壮年の男性３人と同い年くらいの男女５人が何やら日本語で話しているのを見つけた。思いきって話しかけてみると、なんと兵庫県丹波市の柏原高校の知の探究コースの2年生５人と付き添いの教員３人という同じ県内の同い年の高校生の一行だった。どうやら「探求」という、学年の生徒を５人ずつと教員をランダムに割り振ってグループをつくり、各自テーマを立て知を深めていくという明石のコプラスに似た授業の活動として、彼らは幸せについて探求するために幸せの国ブータンへ5日間の調査に向かうようだった。そんなこんなで彼らが出国するまで一緒にいさせてもらい色々な話をし、一人旅の寂しさや不安が和らぎ、楽しい時間を過ごすことができた。
その後はお腹もペコペコだったし近くにあったレストランで朝食をとることにした。笑顔の素晴らしい店員さんに勧められてカレーを頼むも甘過ぎて半分くらいで食べるのを諦めた。値段がバーツ表示だったためいまいち何円くらいなのか分からず、タイは物価安いし３ドルくらいだろと思っていたお会計で12ドル請求され、心の中で盛大にため息をついた。
失意の朝食が終わり、搭乗の時間も近づいてきたので僕は搭乗ゲートに向かった。途中「つづく」と大きくプリントされたシャツを着ている白人を見かけ、思わず心の中でなんでやねんとつっこんでしまった。
搭乗ゲートに到着すると同年代の日本人っぽい女の子がいたので、声をかけてみると、まさかのトビタテ生。福島高専の建設科の三年生の安藤さんという人で、同じプロジェクトアブロードというエージェントを利用してカトマンズで復興ボランティアに４週間従事するとのことだった。同じ日の同じ便にトビタテ生がいるという偶然がとても嬉しかった。

そして飛行機へ。中はかなり空いていて半分くらいが空席だった。席の指定はあってないようなもので、ネパールの方々は自分の席と空席をつなげて寝転がったりとやりたい放題。乗務員も特に気にする様子もなく、最初の面白いカルチャーショックが感じられた。移動がおっけーみたいだったので安藤さんのところに話をしに行った。安藤さんとは、トビタテ生、ネパール、高専生、建設関係の学科、好みの映画、などなどすごくたくさんの共通点があり、けっこう意気投合し、また飛行機内で配られたVISA申請の書類も力をあわせて、なんとか記入を済ませることができた。

そうこうしてる間に、とうとうネパールに到着。
VISAの審査も拙い英語だったがなんとかクリアし、ついに入国。空港から出た瞬間にスゴい騒音と砂煙。ついに始まるんだなと身に染みて感じた。そして無事空港の外でプロジェクトアブロードの人を見つけ、車に乗り込みホテルへ移動開始。道路に信号はなく、そこらじゅうでクラクションが鳴り響く。もちろん僕らの運転手さんも鳴らしまくる。町には人がごった返し、道にはのら犬が。もう全部がぐちゃぐちゃに混ざり秩序の欠片もない。そんな風に感じたが、それは不快なものというわけではなく、むしろなんだか楽しくなってきた。きちっとした日本と違い、ぎゅうぎゅうのぐちゃぐちゃなのに息苦しさを感じなく、むしろ解放感にあふれ心地がよい。
肌で感じるということがどういうことか分かった気がした。
あっけにとられているうちにホテルに到着。
白人のお姉さんに出迎えられ、さっそく部屋へ。思っていた以上に清潔な部屋で少し安心した。荷物を部屋に置いたあとは、お姉さんに連れられ、ドルからルピーへの両替とSIMカードの購入に行った。無事に終わり帰路についた。
安藤さんの部屋のドアのカギの立て付けが悪く中になかなか入れないなどの小さいトラブルは見受けられたが、大きな問題はなく一日が終わりとりあえず一息。
明日は安藤さんと別れてポカラに向かう。

色々な出会い、体験、未知との遭遇に溢れ、とにかく夢中だった今日という日は、たぶん今まで生きてきた中で一番長かった日だと感じる。
拙い英語がわりと伝わることにも少し安心した。
そして今、自分の文章を見返して我ながらの長さだなと驚いている。明日からはもう少しスマートにまとめるよう心がける。

では今日はここまで。