2016年9月20日火曜日

ネパール26日目

昨日のトレッキングがかなりハードだったのか、朝8時リュックを背負い歩き出すと腰の上部が痛んだ。どうやらリュックの下部の小さなでっぱりのようなものが長時間腰を圧迫していたようだ。なのでガイドのアネモに頼んで、彼のリュックと交換してもらった。彼のリュックは驚くほど軽く、リュックを交換してもらってからは、それまでとはうってかわり羽が生えたようにするすると山道を進むことができた。休憩時には引き続き清掃活動を続ける。いくらかのトレッカーに奇怪な目で見られるが特に気にした様子もなく、僕は黙々とゴミを拾い続ける。1日目のトレッキングルートと比べると人の姿も家畜の姿も、そしてゴミもずいぶんと少ない。穏やかな肌寒さも次第に鋭く、景色も厳しい大自然の表情を見せるようになる。
昨日よりもいくぶんか短い、六時間程度のトレッキングで今日の目的地に到着。標高が上がるにつれ、物価も上がり、ビスケットは30ルピーから50ルピーとなり、そして80ルピーとなり、僕らの宿泊するロッジではとうとう3桁の100ルピーとなった。
ここはどうやら有料だがあたたかいシャワーが使える。なのでさっそくシャワールームへ。しかし清潔とは言えず、持ってきたサンダルを履いたままシャワーを浴びた。ロバになるよりはましいうわけだ。温かいシャワーでポカポカとしているのもつかの間、すぐにフリースの隙間から寒さが忍び込んでくる。今頃あの人はどうしているだろうかと、ふと思う。寒さはなんとも言えぬ、もの悲しさというか、切なさのようなものをもたらす。
夕食までの時間は、フレッドに持ってきた単語帳を開いて、発音のレッスンをつけてもらったり、何度となく読み返した小説をまた読み返したり。「v」の発音はなんとかできるようになったが、「th」の発音は何度やってもうまくいかない。イングリッシュスピーカーへの道はまだまだ長い。フレッドもリカードもカールも母国語は英語でなく、第2言語として英語を習得している。なので、どうやって英語を身につけたのか尋ねてみた。リカードは9年間プライベートスクールに通い、フレッドはイギリスに3年間留学。カールはプライベートスクールに通いながら、アメリカのバラエティーをたくさん観たらしい。やはり一筋縄にはいかないなと感じた。皆苦労して身に付けているのだ。おすすめの勉強法は海外ドラマ・アニメをまずは母国語で観た後に英語音声英語字幕でもう一度それを見返すという手法、自然な表現が身に付くし、なにより楽しくないとやってられないだろと言われた。特に初心者におすすめはスポンジボブらしい。複雑な映画などは比喩などの難しい表現が多いから、まずは子供向けの平易なイングリッシュがいいんだとか。帰ったらぜひトライしてみよう。
今日も皆くたくたで、7時半に床に入った。近くの川と滝の轟音と水が岩を叩く揺れを感じる。僕の人生でこんなにはやくベッドに入ったのははじめてだ。
明日はとうとう目的地のABC(アンナプルナベースキャンプ)へ向かう。
フィルが「Change the mind 」と言った真意がいったいなんなのかはたして知ることができるだろうか。

それではまた明日。

2 件のコメント:

  1. 松本君
    高山での温かいシャワー、嬉しいね。
    たくさん歩いて酷使した身体が、癒されるね。
    この写真、いつも一緒に過ごしている仲間との
    雰囲気が伝わってくる、とっても素敵な1枚だね。

    返信削除
  2. 松本君
    やっぱりちょっと逞しくなったね。
    テラスにスポンジボブありますよ。
    がんばって!

    返信削除