2016年9月23日金曜日

ネパール31日目

今日は調査最終日。皆とは明日の朝でお別れだ。今日はガンドロック最後の1日にふさわしい本当に運のよい1日で、ヒマラヤがぼくを祝福してくれているのかなと感じた。
朝から快晴で懸念していた洗濯物が乾かないかもしれないという問題も無事クリア、噛み締めるように向かった朝の野鳥調査では大きなイーグルが3匹も観測できた。さらにそのうちの1匹は僕らの頭上を旋回し、思いのままに眺むことができた。イーグルは本当に大きく、僕が腕を目一杯広げたそれよりもさらに一回りも二回りも大きい。さらには普通のトカゲの3倍程度のサイズのサラマンダーを2匹も見つけることができた。本当に忘れられない調査となった。帰り道にはセミの脱け殻を発見。僕にとって至極身近なものだけれど皆は興味津々。ホステルにいるホストファミリーに見せるため、カールがとても大事そうにセミの脱け殻を運ぶ姿がとても滑稽でいい思い出がまた1つできた。
午後はカメラトラップのセット作業。今回セットしたカメラに写る動物を見ることはできないが、日本で同じような観測活動行うときのため、頭に手順やコツを叩き込んだ。途中熊の足跡やヘビを見つけたりという発見もあった。また帰り道にラジが、次は嫁と子どもを連れて顔を出しに来いと言った。嫁と子どもができる前提のツッコミどころ満載のコメントだったが本当に嬉しかった。
ホステルに戻ったあとは、ホールのチョコレートケーキを予約しにいった。そしてそのままジャーマンベーカリーでティーブレイク。下らない、とりとめのない話が本当に楽しい。これも最後なんだなと思うと心が痛む。
ベーカリーから帰る途中リカードが少し早いが餞別だ、と彼のお気に入りのブレスレットを僕の腕に託してくれた。彼が花見と富士登山と僕に会いに来るために日本を訪れるときに、そして僕がベネチアのリカードのところを訪れるときにイタリア語も少し勉強しておこう。本当に最高の友だちをもった。
帰ってくるとさすらいの土産売りがホステルの庭に土産物を広げていた。かなり高い言い値で、わざわざ今買う必要もなかったので特に値切り交渉などもせず、商人とお話だけ楽しませてもらった。
夕食のあとはケーキだ。ケーキには「Luca and Asahi」とかかれている。リカードも近々イタリアに戻るので名前を入れたのだが店主の大幅なスペルミスでなんと「Luca」に、、、いったいどう間違えたらそうなるのだろうか。まあそれもまた笑いの種になったので問題ない。生クリームがしつこくて、苦戦したが楽しく頂くことができた。
そして談笑を楽しみ、一人また一人とベッドに戻って行く。残ったのはリカードと僕とマリオン。マリオンも調査中ちょっかいをかけあう仲のよいフレンドで、二人とも今日は遅くまで一緒に過ごし、たくさんくだらないことを話した。また、毎晩9時にウェザーステーションという専用の機械を使った記録が当番制であり、今日はリカードが当番だったのだが、適当にボタンをポチポチと押しているうちに機械が初期化。焦りながらこそこそと機械をいじる姿が本当に面白い。焦る写真載せておこう。そして「おれたちは何も知らない。何もなかったよな。」と子供じみた言い訳を僕とマリオンに言い聞かせているのか、自分に言い聞かせているのか知らないが何度も繰り返していた。そういう子供じみた面と、大人びた普段の物言いのモザイクもまた彼の魅力だと思う。明日たっぷりとラジにしぼられている姿が目に見える。
ラジがメインルームを閉めたあとも庭で立ち話。ふと見上げると、満天の星空が僕たちを見下ろしている。なぜかガンドロックからは月が見えないが、カメラには写らない記憶のなかだけにしまっておける大切な宝物を得た。ぼくはこれから先何度も、ぽっかり月と白と黒の巨大なシルエットに空を彩る無数の光を思いだし幻視するのだろうな、と思う。
そして皆が寝静まった今、プラスチックの無機質な冷たさの椅子に腰掛けガンドロック最後のブログにピリオドを打とうとしている。
振り返り様々なことを書くのはネパールを出る飛行機の中だと決めているのでもう少し先。
ただ、1つだけ。僕はガンドロックにこれて、皆と出会えて、調査に行けて、本当に幸せだった!!

それでは、また明日。

1 件のコメント:

  1. 松本君
    胸を張って笑顔で再会できるように
    いろんなこと
    がんばらなきゃね。
    嫁と子供もつくらなきゃ(笑

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