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今日明日はジェイク、フィル、ラファエルと1泊2日のトレッキングだ。標高が2000メートルのガンドロックから最高で3000メートルまで登ったあと2700メートルくらいまで降りるらしい。2500メートルからは高山病の危険があるので少し心配だった。
そんな不安も抱えながら今朝は8時に拠点のガンドロックを出発。登っては少し下りの繰り返しでランチのとれる休憩所まで途中2~3分の休憩を何度か挟みながら約四時間歩き続けた。最初の1時間は意気揚々と山を登り、その後の1時間はとりとめのない考え事をしながら黙々と登り、2時間を過ぎたあたりから道にはぬかるみが増え、足は鉛のように重くなっていき、考え事すらする余裕がなく3人についていくので精一杯だった。やっとの思いで休憩所に到着。お昼はトマトパスタを注文。アルデンテどころの話ではない、茹ですぎのふにゃふにゃのパスタだったが、空腹ということもあり、とても美味しくいただけた。やっぱり空腹に勝るスパイスはないなと実感した。そしてミネラルウォーターを1リットル買いたした。カトマンズでは25円程度で購入できたのだが、ここでは120円。あまりにも高かったが、水がないことには生きていけないので仕方なく購入。腹ごしらえもすみ、歩く元気も取り戻したぼくらは再び目的地に向かって歩き出した。しだいに空気は冷たくなっていき、空気は薄くなり、霧は濃くなっていく。実は僕がここにきてから霧と呼んでいたものは雲だったと後から知るのだが。30分くらい進んだところから、いわゆるジャングルに近い様々な木々が鬱蒼としげる森から、苔むしたヒマラヤ杉の森へと変化した。右手にはヒマラヤの雪解け水が勢いよく流れる川があり、そのさらに右手には大きな切り立った崖がそびえていた。立ち込める霧と苔むした大木の森はなんとも言えぬ幽玄をまとっており、いつか美術かなにかの教科書で見た雪舟の水墨画、そして亡くなった祖母と今でも祖父が暮らしている屋久島の風景が思い起こされた。小学生の頃、毎年夏休みを過ごしていた屋久島での暮らしを思いだし、懐かしみながら歩を進め、目的のホテルまで後1時間くらいの辺りまできた。その辺りから木々はまばらになっていき、名前も知らぬ花々が辺りを埋め尽くすようになっていった。それに伴い足取りも軽くなっていく。そして午後4時前にとうとう目的のホテルに到着。7時間近くの山歩きでの疲労も達成感ですっかり吹っ飛んだ。
山奥ということで夕食の味には期待していなかったのだが、思いもよらず美味しいピザをいただくことができた。日本のものと比べても引けをとらない食べ物は久しぶりで、あっという間に平らげてしまった。
シャワーは冷水で、冷えた体をさらに冷やされ、全身血の気がなくなって風邪をひいてしまうと焦ったが、食堂に大きな暖炉があり、すっかり暖まることができた。
山を登っているときはたくさんのことを感じ、考えるのだが日記を書く頃には霞んでしまっており、あまりうまく思い出せないし文字に興すことができない。頭で考えたことを即座に文字に興してくれる機械があったらなと思う。
明日はこの旅の目的でもあるPoon hillからヒマラヤの日の出を拝む。楽しみだが朝の5時からの山歩きはなかなか気が引ける。今日ははやめに床につき明日に備えることにしよう。
それでは、また明日。
お疲れ様でした。
返信削除周りの景色や息苦しさまで伝わるような
素晴らしい文章になってますよ(^.^)
やっぱりお天気悪いね。