2016年9月20日火曜日

ネパール28日目

4週間が経過。残された時間は1週間。

朝5時半。ドアを強くノックする音で目が覚める。ガイドのアネムが景色が最高だと起こしにきてくれたのだ。さっそく外へ。まだ薄暗く足元が危うい。空を見上げる。ぽっかりと浮かぶ月、そして白と黒で彩られた巨大な塊が空の半分を覆っている。霊峰アンナプルナだ。フィルが「きっと価値観が変わるぜ」と言った意味が少しだけ分かるような気がする。それは神戸の100万ドルの夜景より遥かに美しく、荘厳だった。間違いなく今まで目にしてきたどんな風景よりも美しい。はたして見る前と見た後で価値観が変わったかどうかは分からない。しかし、ただ、きてよかったなと、そう思った。あの眺めはブログを書いている今でも僕の胸に深く、深く刻み込まれている。目を閉じれば、ぽっかり月と、巨大な白と黒のコントラストが浮かぶ。次第に日の出が近づき、アンナプルナは頭から少しずつ紅く染まっていく。寒さも忘れて、食い入るように見つめた。きっとこの美しさを写真で完全に伝えることはできないとおもう。

朝8時。朝食をとった僕らはABCに、アンナプルナに別れを告げ、歩き出した。ほとんどが下りで足へのダメージが蓄積されていくのを感じる。次第に足の裏が痛んでくるが、休憩はほとんど取らない。たくさんの韓国人トレッカーに韓国人だと何度も間違われ、すれ違い様に「アニョハセヨー」と親しげに声をかけられる。そのたびに少し申し訳なさそうに「こんにちは」と返すと皆少し残念そうな苦笑いを浮かべる。休憩所でゴミを拾っているときに韓国語でなにか質問されたがよくわからない。身振りからして「なんでゴミなんか拾ってんだ?」という感じだろうか。適当な英語で返事をしておいた。やはり標高が下がるにつれゴミも増える。終盤はもう体力的に厳しく、休憩時間は素直に休憩させてもらうことにした。実は行きにごみの多い休憩所の近くの木にごみ袋を巻き付けておいた。トレッカーたちが利用したあとがありたくさんのゴミが入っている。みんな捨てるところがないからポイ捨てをするのだなと思った。うまくいったことが少し嬉しくなり、ゴミの適切な処理とよりたくさんトレッキングルートにごみ袋を設置するよう、ACAPの事務所に立ち寄り依頼しておいた。
登ったり降りたりを計35キロ。本当にキツいトレッキングと実践活動だった。ホテルに着いた頃には足はもう僕のからだの一部じゃなくなったみたいに重くなっていた。温かいシャワー(めちゃくちゃ水圧が弱い)を浴びたあとは夕食だ。
夕食のときはテレビで洋楽のオリコンチャートのようなものが放送されており、僕はしらない曲ばかりだがかなり有名な曲がたくさんらしく皆盛り上がった。夕食のあとはリカードに英語のロックやヒップホップ、イタリア語のラップなど色々な曲を教えてもらった。

明日はガンドロックへ、僕らのホームとなるホステルへもどる。

それでは、また明日。

2 件のコメント:

  1. 松本君
    行きにゴミ袋を設置して、帰りに状況を調査しながら回収
    っていうのはいい案だね。

    みんなが自分で持ち込んだゴミをそれぞれ
    きちんと持ち帰るようになったら一番よさそうに
    思うんだけど、それは高山では難しいのかなあ。

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  2. 松本君
    みんな自分1人が捨てたくらいって思うのかな。
    こんな景色を前にしてゴミをポイ捨てするのは
    どんな気持ちなんだろう・・・

    ゴミ袋の設置は一長一短だね。
    ちゃんと回収されるのか、ゴミ捨て場になってしまわないか・・・

    梶原さんが言うように
    持ってきた物は持って帰るのが基本だと思うけど
    それができないんだね。

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